過酸化水素およびN-エチルマレイミドが多剤排出ポンプの遺伝子acrABのプロモーター活性に与える影響
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概要
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疎水性化合物を細胞外に排出する働きをもつ多剤排出ポンプの遺伝子acrABのプロモーター活性は、過酸化水素やN-ethylmaleimide(NEM)による酸化ストレス下で上昇した。acrABは"general stress conditions"において転写量が増加し、環境ストレスに対する適応応答に関与していると考えられている。環境ストレスに対する大腸菌のレギュロンにはMar(multiple antibiotic resistance)やSoxRSがあり、acrABはこれらの調節を受けることが示唆されている。今回、過酸化水素によってもプロモーター活性が上昇したことから、新たな調節機構が存在する可能性も出てきた。また、過酸化水素によるacrABの発現誘導はプロモーターP1に対する転写調節であると考えられた。
- 近畿大学の論文
著者
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武部 聡
Department of Genetic Engineering, Kinki University
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武部 聡
近畿大学大学院生物理工学研究科生物工学専攻:近畿大学生物理工学部遺伝子工学科
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水野 珠
Department of Food Science, Kyoto Women's University
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結城 ひとみ
Department of Food Science, Kyoto Women's University
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水野 珠
Department Of Food Science Kyoto Women's University
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結城 ひとみ
Department Of Food Science Kyoto Women's University
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