2m x 2m 遷音速風洞における天秤温度ドリフト補正方法

概要

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JAXA2m x 2m 遷音速風洞においては風洞試験中に気流の温度上昇によって生じる天秤出力の温度ドリフトが空気力測定試験における計測精度に大きな影響を与えている。温度ドリフトを引き起こす原因としては天秤自体の温度変化と天秤内の温度分布が考えられる。従来のドリフト補正方法では、天秤のゼロ点出力は風洞試験前のゼロ点出力と風洞試験後のゼロ点出力を直線で結んで、その直線上の電圧をゼロ点出力とする方法であった。この補正方法では、風洞試験開始時の気流の急激な温度上昇によって天秤のゼロ点出力が急激に変化する為、補正誤差を生じる。空気力測定試験における温度ドリフト量を減らし、正確に補正を行う為に、予備加熱・チェックポイント補正方法を提案した。風洞試験中の天秤のゼロ点出力変化を調べ、提案した新ドリフト補正方法の有効性を確認した。さらに、新ドリフト補正方法と従来のドリフト補正方法の補正誤差を比較する為にONERA-M5 標準模型およびAGARD-B 標準模型を用いて再現性の確認試験を行った。その結果、新補正方法を用いることにより一連の風洞試験における軸力のバラツキ誤差が±2 カウント以内であることが確認された。さらに予備加熱・チェックポイント補正方法を用いて様々な模型や試験条件に適用する為に温度センサ付内装式六分力天秤を製作し、運用方法および処理方法の改善を行った。

2m x 2m 遷音速風洞における天秤温度ドリフト補正方法

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