乳がんの疫学研究からみた『がん研究における疫学の役割』(第43回保健学科学術研究会)

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概要

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疫学は,癌を始め,さまざまな疾病の原因解明に重要な役割を果たしてきた。しかし,近年の癌遺伝子や遺伝子多型に関する研究の進展に伴って,がん研究における疫学の役割は少しずつ変化してきた。疫学の定義は,国際疫学会のA Dictionary of Epidemiologyによると,「疫学とは,特定の人口集団において,健康に関連する状態または健康事象の分布およびその規定因子を明らかにして,健康問題の解決に役立てようとする学問」とされている。定義の前半「健康に関連する状態または健康事象の分布」は記述疫学,後半「その規定因子」は分析疫学に相当する。ここでは,乳がんの疫学研究を例として,これまでのがん研究における疫学の役割を記述疫学・分析疫学に分けて振り返り,今後の疫学研究の方向を述べたい。
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