富士箱根伊豆国立公園箱根地域における絶滅危惧植物の実態把握とその衰退要因 : パークボランティアによる調査データを利用した検討
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概要
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レッドリスト(RL)、レッドデータブック(RDB)に記録された植物が多数生育する富士箱根伊豆国立公園箱根地域において、箱根パークボランティアによる植物の観察記録を用いた絶滅危惧植物の実態調査を行った。2002年から2006年までのデータを集計した結果、全部で830種の植物種が確認され、このうち30種が国のRL、34種が県のRDBに記録された植物だった。図鑑等の記載情報によると、これらの多くは、開発と採集が減少の主要因であると考えられていた。経年変化を検討したところ、このうち26種については、最近2年間以上確認されていなかった。消失傾向にある種の1/3を占めるラン科植物についてさらに検討を行ったところ、普通種を含めたラン科植物全般について消失傾向が顕著であった。以上の結果より、国立公園は開発の影響を受けやすい種の生育場として重要であること、採集圧は無視できない減少要因である可能性があることが示された。種の減少要因の検討を可能とするデータの入手、さらには示された課題を解決することも期待できるパークボランティアは、国立公園の自然環境を保全していく上で、極めて有用であると考えられた。箱根地域のフローラリストは次のURLよりダウンロード可能:http://osawa.nomaki.jp/index.html。
- 2008-11-30
著者
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