特定外来生物オオハンゴンソウの管理方法 : 引き抜きの有効性の検討
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概要
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多年生草本植物オオハンゴンソウ(Rudbeckia laciniata L.)の地下部からの再生能力を実験的に評価し、併せて野外観察を行うことで、地下部からの引き抜きの駆除方法としての有効性を検討した。実験室内で、任意の大きさに切断処理を施した根塊を60日間栽培したところ、切片の重量が大きいほど地上部を再生する確率が高くなった。野外において毎年8月に開花したオオハンゴンソウを地下から抜き取ると、3年目には開花茎数が著しく減少した。しかし同時に、それまでほとんどみられなかった未開花茎が大量に確認された。未開花茎は種子由来と思われることから、オオハンゴンソウはシードバンクを形成していると推察された。以上から、複数年にわたり、可能な限り根を残さないように引き抜き続けることで、オオハンゴンソウを根絶できる可能性があると考えられた。しかし、抜き取りは非常にコストがかかるため、刈り取りなど、広範囲に対し低い労力で実行可能な方策との併用がもっとも現実的かつ有効であると考えられた。
- 2009-05-30
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