アルファルファタコゾウムシの導入天敵ヨーロッパトビチビアメバチの宮崎県における放飼とその定着について
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概要
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Alfalfa weevil, Hypera postica, a serious pest of Chinese milk vetch, Astragalus sinicus, in paddy fields, was accidentally established in Miyazaki prefecture in 1986 to 1987. Since 1998, alfalfa weevil has been the target of biological control efforts in this prefecture. Although cocoons of the effective natural enemy, Bathyplecles anurus, were released several times from 1999 to 2006, the parasitoid failed to colonize because of some unfavorable condition. In 2007, a total of 16,000 B. anurus cocoons were released in three alfalfa fields, three communities of bush vetch, Vicia angustifolia, and two Chines milk vetch fields. In spring 2008, considerable numbers of B. anurus cocoons were recorded in Aya Town and Kobayashi City, suggesting successful establishment of the parasitoid in Miyazaki in 2007. We discuss some issues around synchronization of life cycles of H. postica and B. anurus, and the evaluation of percentage para iti m of B. anurus.アルファルファタコゾウムシは蜜源植物であるレンゲを食害する侵入害虫で, わが国では1982年, 福岡県と沖縄県で最初に発見された. 宮崎県では1986-1987年頃その被害が顕在化し, 以後, 甚大な被害を与え続けている. 本害虫の密度を抑える目的で同県では1998年~2006年, 数回に亘って導入天敵ヨーロッパトビチビアメバチが放飼された. しかし, その定着の有無は未確認の状態が続いている. 2007年2- 3月, 筆者らは放飼場所を再検討し, 16,000頭の同天敵をアルファルファ圃場やカラスノエンドウ群落等8筒所に放飼した. 2008年春の調査において, すべての放飼地点で放飼世代の孫世代の発生を確認した. とくに綾町と小林市における孫世代の寄生率 (95%信頼区間) は それぞれ7.4~17.6%と3.7~10.9%で, 両地方におけるヨーロッパトビチビアメバチの定着が強く示唆された. また, 筆者らはヨーロッパトビチビアメバチのアルファルファタコゾウムシに対する寄生率を評価する際, 両種の生活環における同調性の問題が無視できないことを指摘した.
- 2009-01-30
著者
-
小畑 寿
宮崎県畜産試験場
-
植松 秀男
宮崎大学農学部食料生産科学植物生産科学講座
-
須崎 哲也
宮崎県畜産試験場
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大川 百合子
宮崎県畜産協会
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英 隆之
宮崎県養蜂農業協同組合
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中川 洋一
宮崎県養蜂農業協同組合
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長嶺 貴淑
宮崎県養蜂農業協同組合
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服部 福良
宮崎県養蜂農業協同組合
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谷口 伸一
宮崎県養蜂農業協同組合
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小山 稔
宮崎県養蜂農業協同組合
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田中 實
宮崎県養蜂農業協同組合
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加藤 幸男
宮崎県養蜂農業協同組合
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西澤 康全
宮崎県養蜂農業協同組合
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谷口 強
宮崎県養蜂農業協同組合
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高木 雪男
宮崎県養蜂農業協同組合
-
坂田 耕作
宮崎県養蜂農業協同組合
-
政岡 善章
宮崎県養蜂農業協同組合
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本田 彰
宮崎大学農学部食料生産科学植物生産科学講座
-
植松 秀男
宮崎大学農学部
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