コナガにおける産卵能力の決定要因
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概要
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3月から12月にかけて採集したコナガ野生虫の産卵能力を恒温下,変温下,給餌下,および無給餌下で調べた.まず,交尾した日によって雌をグループ分けし,グループ別の産卵曲線を得た.季節を問わず,雌は交尾した当日またはその翌日に最も多くの卵を産下し,その後の日当たり産卵数は指数関数的に減少した.交尾当日またはその翌日の日当たり産卵数は3月群のコナガでは93.4∼125個であった.3月,5月,7月,8月および12月群のAグループ(羽化後48時間以内に交尾した雌)の1雌当たり総産卵数の平均値はそれぞれ,480.6, 374.4, 277.3, 263.2, 478.8個で,既知の値よりいずれもかなり大きかった.水のみしか与えられなかったコナガの産卵数は蔗糖水を与えられたものの約60∼70%で,摂餌は産卵数の増加をもたらすと考えられた.5月および7月,屋外に置かれたコナガの総産卵数はそれぞれ並行して調べられた20°C恒温下のそれと差は認められなかった.冬季屋外に置かれたコナガの産卵期間は1ヵ月以上に及び,コナガは気温の高い日に集中して産卵した.コナガの冬季の産卵行動は低温によってしばしば中断されたが,不規則に訪れた気温の上昇によって容易に再開された.
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1998-11-25
著者
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