人型シールによる対人関係表現に関する研究
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概要
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人型シールは,充分な面接時間がとれずとも質的に低下せず,圧迫感を与えない方法でクライエントの対人関係や対人距離感を知ることを目的とし主に学生相談の中でタックシール(住沢,2002),HRシール(Human Relation seal)(住沢,2003),そして人型シールと徐々に形を変えて導入されてきた。本研究は,クライエントによって認知された対人関係を的確に査定するため,また面接の話題を具体化する道具としても活用することを目的に開発するものである。本稿は人型シール開発のための一連の研究の1つとして人型シール同士の方向,距離,大小,上下について調べた。調査方法としては,大人と子供,好きな相手,過小評価,支配的,味方,板ばさみなどを含む事例を参加者が人型シールで表現し,表現された人型シールから,方向,距離,大小,上下の特徴を調べた。その結果,たとえば互いに好意を持つ関係を表現する場合,2人を向かい合わせに貼るという表現もあるが,近くに貼ることで表現されること,つまり,方向と距離の表現の関係が明らかになった。大小に関しては大人と子供の表現の他に大きく感じる人には大,小さく感じる人には小の人型シールが使用されることがわかった。また上下に関しては立場の強い人が上,立場の弱い人が下に貼られる傾向がみられた。また,貼られた人型シールに漫画の描き込みが多く見られ,人型シールによるクライエント理解に新たな側面を見出すことができた。
著者
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