自己対面法によるライフレヴューが高齢者に与える影響
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概要
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研究Iでは,91名の高齢者を対象に自己対面法による過去・現在・未来に関する感情パターンと年齢および一般性自己効力感が主観的幸福感に与える影響について検討した。パス解析による分析の結果,年齢は現在の主観的幸福感に有意な負の影響を与えており,自己効力感に対する評価も主観的幸福感に有意な正の影響を及ぼしていた。また,高齢になるほど自己効力感に対する評価を高める介入が必要であり,過去を回顧するときの感情,現在や未来に向けての自己高揚感および現在の他者との関係性を求める気持ちが高齢者の主観的幸福感を高めるうえで重要な要因となることが示唆された。研究IIでは,想定書簡形式による3ステップ自己対面法を体験した女性の事例を検討した。その結果,想定書簡による内在化した他者との内的対話によって対象者の認知の変化がもたらされ,体験後には肯定的な感情の上昇と否定的な感情の低減が認められた。対象者の自己理解の促進に,想定書簡形式による3ステップ自己対面法の有効性が示された。
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