安全な立ち上がりの自立を支援するエビデンスの表示 : 観察力を高めるためのリアルタイムな動作分析表示の開発

概要

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研究の背景:エビデンスに基づいた看護ケアの提供は、安全な医療提供を行える作業手順や作業効率の視点、また、医療倫理の視点からも求められ、看護技術の習得に対してエビデンスに基づいた教育方法が看護教育の中でも求められてきている。臨床で生活行動を拡大していく基本動作である立ち上がり動作に着眼し、力学的動作分析より、自立支援のエビデンスを示せる教材作成の研究を行なっている。目的:今回、共同研究で開発された動作分析表示を基に、対象者の自立を支援するための立ち上がり動作のしくみを身体重心と支持基底面の関係から再分析し、自立援助における動作観察の留意点を明らかにし、エビデンスを示すリアルタイム表示の開発を行なった。方法:第1段階では、ボディメカニクスの視点である身体重心位置と支持基底面の関係に着眼し、種々の立ち上がり動作の力学的動作分析を行い、重心軌跡と支持基底面の関係をベースに、援助時の力学的エビデンスを静的に画面上で分析した。第2段階:立ち上がり動作を動的な動作分析として捉えられるように、リアルタイムに対象者の動作の中に動作分析の要素が示せるシステムを視覚的教材化した。結果:第1段階では、速さを変えた立ち上がり、足引きの有無による立ち上がり、座面の高さを変えての立ち上がり、介助を要した立ち上がりの動作分析を行ない、自立した立ち上がりの留意点を明らかにした。速さを変えた立ち上がりでは、姿勢の安定性を観るポイントである支持基底面内に重心が入るタイミングが立ち上がり速度によって異なることが示されていた。足引きした立ち上がりは、早期より身体重心が支持基底面内に移動して安定した立ち上がりとなっていた。第2段階の表示では、被験者の安定した動作と不安定な動作を視ると同時に、その動作の身体重心と支持基底面との関係を視ることができ、自立した動作の安定性をリアルタイムに判断することができた。結論:立ち上がり方法によって異なる動作のしくみを表示することができ、安全に一人で立ち上がるために必要な動作観察の要素を見出せた。リアルタイムな動作分析の表示は、その場で身体の動きのしくみを認識でき、瞬時の動作における観察力や判断力を養うことが可能でありエビデンスを示せる教材の活用ができる。

安全な立ち上がりの自立を支援するエビデンスの表示 : 観察力を高めるためのリアルタイムな動作分析表示の開発

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