保育者養成教育におけるネイチャーゲームの可能性について(4)
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概要
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保育者養成校1年生211名を対象に「フィールドビンゴ」「サウンドマップ」「カメラゲーム」「サイレントウォーク」を実施し,学生による報告を手がかりに以下の点について考察することを目的とする。(1)ネイチャーゲームを通してどのような発見を楽しんでいるのかを考察する,(2)ネイチャーゲームの内容について高考察群と低考察群を比較することを材料に,保育者養成に有効な取り入れ方について考察する。その結果,(1)学生の回答からは「自分自身の変化」についての記述が最も多く見られ,続いて,「自然の多様性」「ゲーム内容に関する発見,考察」であった。逆に最も発見が少なかったのが「自然に触れ合うことによる気持ちの動き」「身近な自然の存在」であった。(2)ゲーム内容に関する高考察群は,低考察群と比べて,人間関係に関する発見,特に「仲間との信頼感」の発見が多く,自然環境に関する発見,特に自然の多様性については低いという結果になった。以上のことから,ネイチャーゲームで重視している「わかちあい」がゲーム内容の考察に有効であることが考えられる。また,ゲームについてあまり発見,考察できなかった学生はすべての点についての発見が少なかったのではなく,ゲーム内容以外の点についてより多くのことを感じ取り,発見する傾向がある。このことから,ゲーム内容についてより多く発見,考察することで,却って自然環境についての発見を妨げている可能性が考えられ,お互いにわかちあいながら信頼感を感じることがゲーム内容についてのよりよい発見,考察につながる可能性が考えられる。
- 国際学院埼玉短期大学の論文
著者
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