保育者養成におけるネイチャーゲームの可能性について
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概要
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全国の保育者養成校で積極的に取り入れはじめているネイチャーゲームの中からサウンドマップ,サイレントウォーク,カメラゲーム,フィールドビンゴを保育者養成校の1年生を対象に実施し,その自己評価及び幼児向けにするための工夫を学生同士で討議した内容から,次の点について考察する。(1)自然に対する感性を豊かにする可能性(2)小学生以上を対象にしたネイチャーゲームを幼児対象にする場合,保育者養成校に入学して約3カ月の学生がどの程度,工夫を考えることができるのか(3)保育者養成教育にネイチャーゲームを取り入れた場合の自然に親しみ,感性を豊かにする目的以外の側面についての可能性また,次の点が考察された。(1)実施後の感想から,サウンドマップにより聴覚,カメラゲームにより視覚以外の五感を使って自然を感じ取り,感性を豊かにする可能性が考えられる。(2)内容にある程度の自由度があるサウンドマップでは,幼児にわかりやすくする工夫が考えやすいが,フィールドビンゴは,自分自身は楽しめるものの,規定のカードを使うことから,わかりやすくする工夫を考えることは難しいようである。サイレントウォークは,動作が中心の内容であるため,どのようにしたら幼児にわかりやすく実施できるのかをより具体的に考えられやすいようである。カメラゲームでは,自分自身が子ども役になることから,安全面に対するより具体的な配慮を考えつきやすい。(3)サウンドマップを通して子どもそれぞれの感じ方や表現の違いを理解し,それに対する保育者としての対応の仕方について,サイレントウォークを通して,子どもの表現への意欲とその逆にうまく相手に伝わらなかった時の心の動きに対する理解とそれに対する保育者としての対応の仕方について,領域環境や自然環境に関する授業以外でも取り入れ,保育者養成の一助となる可能性が考えられる。
著者
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