地方森林税はどのようにして政策課題となるのか : 都道府県の対応に関する政治経済的分析
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概要
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2000年の地方分権一括法の施行と時期を同じくして,地方森林税(または森林環境税,水源税)の導入が各都道府県で検討されている。地方森林税導入の動きは2つの点から興味深い。1)どのような要因によって地方森林税は各都道府県で現実化しているのだろうか。2)各都道府県別に意思決定がなされる結果,多様な林政の展開の端緒となる可能性があるのではないか。現状では政策決定の全過程(政策過程)を全都道府県について観察することは実質的に不可能であるため,本報告では政策決定の初期段階である地方森林税の政策課題設定(アジェンダ・セッティング)について分析し,以上2つの問いに答える第一歩とする。具体的には,地方森林税が各都道府県で政策課題となった時期と各都道府県の政治経済的な変数の関係をイベントヒストリー分析(生存時間分析)により統計的に検討する。分析のための作業仮説としてKingdonの提唱した「政策の窓」論を使用した。分析の結果,渇水の危険度,私有林の保育水準,都道府県林業費の支出水準,財政力の変化を示す変数と地方森林税検討開始時期との間に統計的に有意な関係が見出された。
- 林業経済学会の論文
- 2005-11-01
著者
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