新しい木材需要と製材業の今後の展開
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概要
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製材品の需要側,供給側いずれの調査からも,新しい木材需要として板類の需要が発生してきていることが確認された。使用部位は従来木材がほとんど使われることのなかった非和室の壁,床,押入れ,外壁などである。この新しい需要の特徴は節のある材が好まれたり,ヒノキよりスギの方が人気があったりすることである。したがって従来の四面無節を頂点とする和室用化粧材の格付けだけでその材の評価をすることはできない。板類は集成材とは競合しない木材需要であり,これによって集成材時代ともいうべき現代における製材業の新たな展望が見えてきた。集成材時代は板材の時代ということができる。集成材自体が板を積層した製品である。断面の大きな角類の需要分野は乾燥が容易ではないムク材に替わって集成材が主流になるにしても,板は製材品で対応できる。板の需要はひとつは集成材用ラミナの分野,もうひとつは製材品の分野があり,今後の製材業の展開はこれらふたつの方向が大きな流れになると考えられる。
- 林業経済学会の論文
- 2003-03-01
著者
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