806 長昌院霊廟宝塔前拝殿の造営経緯とその背景(歴史・意匠)
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概要
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彫物や彩色で飾られる徳川家霊廟の建築は、上方に対する江戸の建築として重要であると考えている。すでに田辺泰等による研究成果があるが、これまでの拙稿では田辺氏が対象としなかった将軍夫人の霊廟等を中心にその姿を復原的に考察してきた。 明かになった徳川家霊廟の建築の形式は、江戸城の御殿や大名邸がそうであったように、礼儀と結びつき、まつられる人物と参拝者の身分格式を共に示す構造をもっていたのではないかと思われる。 本稿は、徳川家霊廟の内、まずは６代将軍家宣の生母・長昌院の霊廟について、霊廟造営が一旦終わった後１０数年を経て行なわれた宝塔前拝殿の造営を取り上げ、その経緯を報告すると共に、造営の背景として、長昌院の立場や官位との関係に注目し若干の考察を加えるものである。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 2001-03-01
著者
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