閾下/閾上視線手がかりによる注意シフト(テーマセッション1)
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概要
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視線はコミュニケーションにおいて他者の心を理解する上で重要な役割を果たしている。これまで,他者の視線方向が示す位置方向へ自動的(反射的)な注意シフトを起こすことが心理学的に知られており,視線が向いた方向に提示されたターゲットに対して反応が促進される。本研究では,線画顔刺激において刺激提示時間を変数に,視線の意識的気づきに求められる時間的閾値を測定し,線画顔の瞳の位置を横線に置き換えた刺激,目の位置を矢印に置き換えた刺激の測定とともに比較・検討した(実験1)。その結果,顔刺激<矢印刺激<横線刺激の順に位置方向検出に必要な時間は長くなることが示された。次に,線画顔刺激のみを用いて,顔刺激の刺激提示時間を変数に顔刺激の後に提示されるターゲットの検出について,提示時間が閾上/閾下である場合とで検討した(実験2)。その結果,視線が意識的に気づく条件でも,気づかない提示条件でも,ターゲットに対する自動的シフトは起こらないが,むしろターゲットが視線手がかりに対して無効な場所に提示される場合において,抑制的な働きを持つことが明らかになった。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2008-08-29
著者
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