抗リモニン抗血清を用いた酵素免疫測定法によるカンキツの機能性成分,リモニン配糖体の定量(育種・遺伝資源)
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概要
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カンキツ果汁に含まれる機能性成分のリモニン配糖体を迅速かつ簡便に定量できる酵素免疫測定法(EIA)を開発した.前処理は果汁を塩化メチレンで分配・抽出するだけで良く,塩化メチレン層にはリモニンが,水層にはリモニン配糖体が分配される.リモニン配糖体・オバルブミン結合体を固相化抗原とし,山本・松本(1999)が作成した抗リモニン抗血清を用い,ビオチン・アビジンシステムによるEIAを実施した.測定範囲は10pg〜100ngまでと広範囲であった.この方法によってカンキツ類128品種のリモニン配糖体およびリモニン量を定量したところ,ブンタン類を除くとほとんどの品種でリモニン配糖体含量が総リモニン量の90%以上を占めていた.ネーブルオレンジや一部のマンダリンではリモニン配糖体が100ppm以上と高含有され,機能性成分の供給源として重要であると考えられた.ブンタン類,ユズ類,レモンおよびキンカンはリモニン配糖体含量が少なくこの成分の供給源としての価値は低かった.苦みの強いリモニンはブンタン類,ネーブルオレンジ等で含有量が多かったが,これらを除くほとんどの品種では苦みを感じない閾値である6ppm以下の含量であった.
- 園芸学会の論文
- 2008-10-15
著者
-
山本 雅史
果樹試験場口之津支場
-
山本 雅史
鹿児島大学農学部附属農場唐湊果樹園
-
吉岡 照高
生資研放射線育種場
-
吉岡 照高
農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所カンキツ研究口之津拠点:(現)果樹研究所
-
松本 亮司
佐賀大学農学部
-
池松 大亮
佐賀大学農学部
-
松本 亮司
Faculty of Agriculture, Saga University
-
山本 雅史
鹿児島大学農学部
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