源氏物詣でのタラズ形・ラズ形 : ザリキ形・ザリツ形・ザリケリ形との比較を中心に
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概要
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源氏物語でのタラズ形とラズ形は,ザリキ形・ザリツ形・ザリケリ形と比較すると,その使用例がすくない。また,これらには助動詞キとの複台形である,タラザリキ・ラザリキ形がある。この点からすると,タラズ形・ラズ形とザリキ形とでは,文中での機能のちがいのあることが予想される。さらに,タラズ形・ラズ形は文末で使用されることがほとんどなく,この点でもザリキ形などとはことなっており,文のテンスを確定させる機能もかないことがわかる。源氏物語でのタラズ形・ラズ形は,ザリキ形・ザリツ形・ザリケリ形とはちがい,否定表現でのテンス・アスペクトをしめす主要な語形でなく,物語のある時点のなんらかの否定的な状態をしめずものとかんがえられるのである。
- 甲南女子大学の論文
著者
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