森林・林業系高等学校の生徒像と教育課題
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
いま森林・林業系高等学校の学科再編が相次いでいるが,その将来のあり方を議論するには,卒業生の進路動向や現役生徒の意識,企業の雇用状況などの実態把握が不可欠である。本稿では北海道の森林・林業系学科3校を対象に,卒業生の進路動向を把握し,アンケート調査で学校生活に対する生徒意識を明らかにした。また専門教育と企業内教育の連携について森林組合で聞き取り調査をした。その結果,1)同学科の森林管理の中堅技術者を養成する役割は低下し,専門学校進学者が増加している,2)進路希望先として森林関連の職業を挙げる生徒とそのほかの生徒では,前者の学習意欲は高く,後者のそれは低い傾向にある,3)専門教育と企業内教育は専門性をめぐりある程度結びついている-ことが明らかになった。進路動向と学習態度をめぐる生徒の多様性は,同学科の教育目標の設定を難しくしている。同学科はいま,多様な進路希望に対応しなければならない一方,職業教育を発展させるという困難な課題に直面している。
- 日本森林学会の論文
- 2006-04-01
著者
関連論文
- 財務数値を利用した協同組合の経営分析 : 北海道十勝地域の森林組合を事例として
- 北海道における河川横断工作物基数とサクラマス沿岸漁獲量の関係--河川横断工作物とサクラマスの関係から河川生態系保全を考える
- 森林組合の再編動向と政策課題--『山形県森林組合統計』による実証分析
- 森林・林業系高等学校の生徒像と教育課題
- 企業組合の展開と林業・森林管理を支える労働者形成 : 雇用保険制度下の北海道
- 若年林業労働力の参入形態と定着条件--北海道滝上町における行政,事業体,新規林業労働参入者の対応
- 林業事業体における教育訓練の現状と課題 : 北海道の林業事業体を対象にしたアンケート調査結果を中心に
- グリーンマイスター研修の到達点と新しい課題
- 第1報告 林業労働と公共職業訓練の新たな関係 (2005年度 北日本林業経済研究会公開シンポジウム 北日本における森林管理労働・担い手問題)
- 森林管理における公益的機能の強化と担い手企業の再編 (特集 日本林業再構築のモーメントと方向をどう考えるか(1))
- 林業・森林管理に取り組む企業組合と労働主体の形成
- 森林管理レジームの転換期における林業労働者の状態--その就労条件と労働安全衛生
- 林業技能者養成の地域的展開と雇用創出--鳥取県智頭町の事例
- 林業技能者養成の地域的展開と雇用創出 : 鳥取県智頭町の事例
- 林業事業体の雇用管理と教育訓練--北海道の林業事業体を対象にしたアンケート調査結果から
- 森林組合の再編動向と政策課題 : 『山形県森林組合統計』による実証分析
- 森林管理における公益的機能の強化と担い手企業の再編(日本林業再構築のモーメントと方向をどう考えるか(I))
- 地域資源管理からみた馬搬振興の展開過程と技術継承の条件 : 岩手県遠野地方を事例として
- 森林組合の合併と林業労働力の再編 : 北海道の合併組合を事例に(会員研究発表論文)
- 第1報告 林業労働と公共職業訓練の新たな関係(北日本における森林管理労働・担い手問題,2005年度北日本林業経済研究会公開シンポジウム)
- 林業・森林管理に取り組む企業組合と労働主体の形成
- グリーンマイスター研修の到達点と新しい課題(会員研究発表論文)