適切な医療用医薬品使用に関する考察 : ストレス関連疾患治療薬を取り上げて
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概要
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医薬品の適正使用については,WHO の 「Rational Drug Use」が2002 年に提唱されている。しかし,医療用医薬品において,適切な患者に適切に使用されるように開発されているかは疑問な点が多々ある。著者らは,現代の多様性ある社会に多発しているストレス関連疾患である,消化性潰瘍と中枢神経系疾患のうつ病を取り上げ,その患者数と医薬品の供給量を概観した。またこれに社会的ストレス要因の変化を,欧米と比較して,これら薬剤が,我々が提唱している「Rational and Optimal Drug Use and Education」というモデルに当てはめて,適切に使用されているかについて検証・評価した。その結果,消化性潰瘍用剤においては,疾患発生に比較し十分すぎる供給がされているにもかかわらず,うつ病を中心とした中枢神経用剤の供給量は欧米に比し,十分な状況とはいえないと考えられた。これらの原因のひとつとしては,医薬品開発の歪みとともに,日本の社会的・文化的な背景があると考えられた。
- 国際医療福祉大学の論文
- 2008-07-31
著者
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野口 隆志
国際医療福祉大学大学院
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梅内 拓生
国際医療福祉大学
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梅原 貞臣
国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科2007年度修了
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梅内 拓生
国際医療福祉大学大学院
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梅原 貞臣
国際医療福祉大学医療福祉学研究科
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野口 隆志
国際医療福祉大学医療福祉学研究科
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