ニホンザル成体メス間グルーミングの行動連鎖分析 : 嵐山E群での観察から
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概要
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本研究は,ニホンザル成体メス間のグルーミングが持続する要因を明らかにすることを目的とした。餌付け群である嵐山E群の成体メス10個体を対象に,個体追跡法により,グルーミングの開始から終了までを時系列に沿って観察した。その結果,グルーミングの開始から終了まで観察できた大半のエピソードで役割交代がなかった。一方,役割交代の回数が増えると持続時間が長くなる傾向があった。役割交代が何度も起こったエピソードでは,血縁個体間ではグルーマーがグルーミングをやめて,相手にお返しのグルーミングを催促して交代するやり方が二者間で連続して起こった。非血縁個体間では,グルーマーがグルーミングをやめる前に,グルーミーが自主的に相手にグルーミングしようとして交代するやり方が二者間で連続して起こった。ニホンザルは相手が血縁個体か非血縁個体かによって,役割交代時の行動を変化させていることが示唆された。
- 日本動物心理学会の論文
- 2007-12-25
著者
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