戦前期における森林のレクリエーション利用と国有林 : 明治初期における「官有地公園」と官林との関係を中心に
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概要
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本研究では,戦前期における森林のレクリエーション利用と国有林との関係を明らかにするための一環として,明治初期を対象として,明治6年(1873)に早くも制度化される「官有地公園」と官林の関係を整理し,国有林の成立過程において,官林内への公園設置要求に対して官林側がどのように対応してきたのかを明らかにすることを目的としている。公園制度は,官林成立当初の無制限払下政策によって荒廃が危惧された社寺上地林の保護策としての側面を強く持っているが,実質的に社寺詣を中心とする伝統的観光地としての整備が行なわれた事例も見られた。また,官林の農商務省山林局への移管後は,公園設定に対して,土地所有者である官林側に大きな権限が持たされることとなった。このことから,この時期の公園設置への官林側の対応は,国有林のレクリエーション的利用への対応の嚆矢といえる。実際には,国有林及び政府の事情の許す範囲で土地の便宜を図るのみの対応であり,消極的な段階といえるだろう。
- 林業経済学会の論文
- 1998-03-20
著者
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