1990年代以降における都市農山村交流の政策的展開とその方向性(テーマ : 1990年代以降の林政の展開と今後の方向性,2008年春季大会論文)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文では1990年代以降の国土政策,農林業政策等の諸政策における都市農山村交流の政策的位置づけを整理し,その方向性について検討した。1990年代初頭における主要な動向としては,「民活型」大規模リゾート開発から「官活型」の農村型リゾートあるいはグリーン・ツーリズムへ,特に森林に関しては「森林の総合利用」中心から「国民参加の森づくり」中心の展開へ,さらにトップダウン・ボトムアップ双方からの森林ボランティア活動の育成・発展の3点に整理することができる。1990年代後半以降は,新基本法農林政への転換の中で,都市農山村交流は地域活性化対策の柱の1つとなった。2002年からは政府の経済活性化戦略に位置づけられ,8府省連携の巨大プロジェクトへと変貌を遂げている。現段階における都市農山村交流は,一方でグローバル化・自由化の流れに連動した国内農林業の縮小再編という国家政策を色濃く反映した展開方向にあり,他方では,食の安全・安心や豊かな森づくりを可能とする社会を目指す市民の行動と,そこに地域再生の活路を見いだした農山村地域との協働という発展の方向がみられる。都市農山村交流をめぐってはこのような2つの潮流の渦中にあるといえよう。
- 2008-03-01
著者
関連論文
- 1990年代以降における都市農山村交流の政策的展開とその方向性(テーマ : 1990年代以降の林政の展開と今後の方向性,2008年春季大会論文)
- 農村レストラン利用客の「食」と「農」に関する意識調査結果 : 和歌山県田辺市「秋津野ガルテン」付設レストラン「みかん畑」を事例に
- ネパールにおける参加型林業の拡大と援助プロジェクト間の協調
- 第4報告 国有林における森林レクリエーション事業の展開と対境関係の変化 ((財)林業経済研究所 第4回シンポジウム 国有林の展開方向と国民参加の意義)
- 国有林野における「森林探勝型」レクリエーション事業の展開 : 赤沢自然休養林を事例として
- 「流域管理システム」下における国有林請負事業体の展開 : 木曽谷流域を事例として
- 国有林野における森林レクリエーション事業と地域社会 : 木曽谷地区を事例として
- 戦前期における森林のレクリエーション利用と国有林 : 明治初期における「官有地公園」と官林との関係を中心に
- 国有林野地元利用の今日的状況 : 新潟県六日町営林署管内N共用林野組合を事例として(1996年秋季大会自由論題論文)
- コメント1.現代林政の課題から2点(1995年春季大会)
- 国有林野使用料算定方式の変更に関する一考察(自由論題論文,1994年秋季大会)
- 御岳国有林における森林レクリエーション事業の展開(1992年秋季大会)
- コメント2.日本林業をどう展望しうるのか?(1991年秋季大会)
- 国有林野における森林レクリエ-ション事業の展開
- 和歌山県田辺市龍神村における地域再生方策に関する調査結果 : 宿泊施設のホームページ分析と住民ヒアリング調査をもとに
- 国有林野事業における「モデルプロジェクト」に関する一考察 : 宮崎県・綾の照葉樹林プロジェクトを事例として
- 特別発表 国有林野事業における「ふれあいの森」制度の現状と展望
- JA農産物直売所における来店者の農業・地場農産物に対する意識調査結果 : 大阪府岸和田市JAいずみの「愛彩ランド」を事例に
- 観光ぶどう農園の来園者にみる都市農村交流への関心についての意識調査結果 : 和歌山県伊都郡かつらぎ町御所地区を事例に
- Policy Development and Direction of Urban-Rural Interaction after 1990's in Japan
- JA農産物直売所設置にともなう生産者の意識変化 : 大阪府岸和田市JA いずみの「愛彩ランド」出荷部会へのアンケート調査結果
- 「1990年代以降の林政の展開と今後の方向性」討論要旨(2008年林業経済学会春季大会シンポジウム)
- 第4報告 国有林における森林レクリエーション事業の展開と対境関係の変化((財)林業経済研究所第4回シンポジウム「国有林の展開方向と国民参加の意義」)
- 国有林野における森林レクリエーション事業の展開