国有林野地元利用の今日的状況 : 新潟県六日町営林署管内N共用林野組合を事例として(1996年秋季大会自由論題論文)
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概要
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近年,森林レクリエーション事業的国有林野利用が「新たな国有林野利用」の一形態として注目されている。そこで,この利用形態が集中的に見られる新潟県六日町営林署管内N共用林野組合を対象として事例調査を行い,「新たな国有林野利用」の登場が,共用林野等の「農林業的国有林野利用」集団にどのような展開をもたらすのかについて分析を行った。N組合地区は,かつては農林業的利用を通じて国有林と深く関わってきたが,1970年前後を境としてスキー場という「新たな国有林野利用」が住民の生活に密接に関わるようになった。しかし,外部資本による単独経営として展開されたため,地元側が直接その経営に参画することはなく,国有林との関係は外部化しつつある。一方共用林野では自家用あるいは民宿の食材として山菜採取が「新たな国有林野利用」とも関係した「農林業的利用」の今日的状況であり,この下で国有林野の管理への協力がなされている。しかし,現在の民活型「新たな利用」の展開の推進の中で,これらの「農林業的利用」は消滅に向かわざるを得ず,このことは国有林野の重要な末端管理組織を失うことにつながる。
- 林業経済学会の論文
- 1997-10-01
著者
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