濠州産サブタレニアン・クローバーの品種比較試験

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濠州産のサブタレニアン・クローバー5品種を用いて,青刈収量を主とする比較試験を行い,次の諸結果を得た。1.形態並びに生育上の特性は品種により著しく相違し,特にYarloop及びClareは大葉で秋期旺盛な生育を示し,Dwalganupはほふく性が強く小葉で野性的な外観を有した。又Clareは際立つて耐寒性に乏しかつた。2.開花期は濠州での記載とほぼ一致しDwalganup及びYarloopが早く,前者は3月下旬,後者は4月上旬に開花し,次いで4月下旬より5月上旬にかけて,Bacchus Marsh,Mt. Barker,Clareの順序で開花した。3.開花期刈取後,Clareを除く各品種は再生したが,その量は開花期の早い品種では1番刈収量と同等又はこれを凌駕し,開花期の晩い品種では1番刈収量よりはるかに少なかつた。而して全収量ではBacchus Marsh>Mt. Barker,Clare>Yarloop>Dwalganupの順位となり,Dwalganupは著しく劣つた。4.青刈跡地を利用しても比較的多量の種子が得られ,品質も原産地のものに比して殆んど遜色を示さなかつた。又種子はYarloop及びClareが大粒,Mt.Barkerは小粒であり,硬実率はDwalganupが最も高く,Yarloopが最も低かつた。又同一品種内でも1番刈跡地より採種せられたものが,2番刈跡地より採種せられたものに比し硬実率が高い場合が認められた。5.以上の様に,品種によつて形態,熟期,耐寒性,生草量等に甚しい差異が認められるので,我が国においてもその利用について再検討してみる必要があるように思われる。
日本草地学会の論文
1959-03-10

濠州産サブタレニアン・クローバーの品種比較試験

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