イタリアンライグラスの発芽に及ぼす温度と水分の影響
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概要
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(1)那系4号を供試し,シャーレで〓紙および土壌を発芽床として,主として恒温状態で,発芽に及ぼす温度と水分の影響を調査した。(2)5℃前後の低温でも30〜40日の長い期間をかければよく発芽し,5〜30℃の発芽率はよく殆んど差がなかった。しかし,35℃では発芽率が著しく悪く,40℃では全く発芽しなかつた。(3)種子の吸水速度は高温ほど早く,吸水が飽和になるまでの期間は,処理の温度と時間の積が約1500になる時であった。なお,飽和吸水量は種子とほぼ同じ重量であった。(4)発芽の低温限界は2℃以下であり,発芽始は置床後2℃で32日,3℃で29日であった。発芽試験期間を30日とすれば低温限界は3℃となる。(5)盛夏播種を想定して35℃と40℃の高温処理を5日および10日間行なったが,乾燥状態なら40℃で10日間処理しても,その後,適温と適湿にすれば無処理と全くちがわない発芽をする。湿潤状態での処理は,処理後に適温と適湿にしても発芽が著しく悪く,40℃の10日処理は殆んど発芽しなかった。(6)〓紙を発芽床とし,井戸水による一時冠水および常時冠水は,発芽には殆んど悪影響がなかった。(7)土壌を発芽床とした場合,最大容水量の40%,60%,80%の土壊水分では覆土の有無に拘らず発芽がよく,30%の場合は著しく悪かった。また,100%の場合,無覆土は発芽がよかったが,覆土すると悪くなり温度が高いほど不良であった。
- 1965-09-30
著者
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