日本語-手話同時通訳における作業内容の分析
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概要
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手話通訳に求められる作業内容を明らかにするため、日本語から手話への同時通訳を「訳出率」「訳出の時間的側面」「日本語から手話への変換」「訳出された手話表現」の4つの側面から分析した。この結果、訳出率は通訳者によって約50〜90%程度と幅があるが、いずれも重要語を選択的に通訳していた。また、原文と訳出表現の間のタイムラグは、通訳者によって1〜4秒と差があり、この差は語単位か句・文単位かの処理単位の違いによるものと考えられた。日本語から手話への変換過程では、「言い換え」「付加」「分割」などの操作が加えられており、特に「圧縮・統合」や「省略」の量は、全体の訳出率と深く関係していた。訳出された手話のバリエーションを調べたところ、いずれの通訳者も辞書形が70%を占めており、区切れの表示の明確さや言いよどみの量は手話の見やすさに影響しているものと思われた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2002-05-31
著者
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