台湾産Lanyuミニブタにみられた低レベルのハプトグロビンとそのアミノ酸配列(実験動物学)

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ブタハプトグロビン(Hp)は急性期蛋白の一つである.その血清レベルは炎症や感染によって有意に上昇する. Hpの主要な機能の一つはフリーのヘモグロビン(Hb)を結合し,その酸化活性を阻害することである.本論文では,我々は台湾産Lanyu(TLY)ミニブタ(n=43)のHp表現型を解析し, Hpの構造はヒトHp1-1と同様にホモ二量体(β-α-α-β)であることを見いだした.興味深いことに,ウエスタンブロットと高速液体クロマトグラフィー(HPLC)解析によって, 25%のTLYの血清Hpレベルが低いか全くない(<0.05mg/ml)ことが判明した.そこでこれらのTLYのHp cDNAをクローニングし,そのアミノ酸配列を解析した.その結果,その配列に欠損はみられず,家畜ブタのアミノ酸配列(NP_999165)と99.7%一致した. ELISAにより測定された全てのTLYのHp平均値(0.21±0.25mg/ml)は家畜ブタの平均値(0.78±0.45mg/ml)よりも明らかに低かった.中でも25%のTLYは極めて低値を示した(<0.05 mg/ml).更に, FITC標識したHbを静注したときの初期(40分間)回収率は,低値を示すTLYの方が高値を示すTLYに比べ有意に高かった.これはHp-Hb複合体の濃度が低いためHbの回収率が高かったと推察される. TLYは循環器系疾患の実験モデルとして使用されてきたが, Hpをマーカーとして炎症疾患のモデルとして使用できるかどうかは興味が残るところである.しかしながら, TLYにおいてHpレベルの個体変動が大きいことから,実験的基礎値の変動を最小限にするためのプレスクリーンが必要である.本研究はTLYが将来炎症性疾患のモデルとして使われる際の参考値を提供するであろう.
2008-04-25

台湾産Lanyuミニブタにみられた低レベルのハプトグロビンとそのアミノ酸配列(実験動物学)

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