節音調の担う意味についての機能的考察

概要

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この小論では、ハリデー教授の提唱する選択体系機能言語学の枠組みに沿って、言語の機能に着目した類型論的分類を追求する。世界の諸言語は、音声・音韻・形態・統語などの諸側面から多様な類型に分類されてきた。これら多様な観点のうち、例えば母音・子音という音素や主語(という範疇があるという前提に立った場合)・動詞・目的語/補語という語順などは外形的基準から類型化が比較的容易である。そのためにこれら外形的基準による類型的研究は多かったが、意味や機能に立脚するものは相対的に少なかったと言える。この小論では研究対象を限定するために、音調体系を扱う。まずは全言語を声調言語であるか否かで類型的に二分し、その後に節音調の機能によって非・声調言語を更に二分割する。この小論の目的は、上述のような意味的・機能的観点で諸言語を類型化する理論的妥当性を検証することである。このことによって、現行の選択体系機能言語学が前提としているメタ機能などの道具立てが意味分析に有効であることを裏付けることも副次的目的とする。