好酸性作物,バレイショの生育・収量に対するアシドロコンポストの施用効果

概要

論文の詳細を見る
好酸性作物,バレイショに対するアシドロコンポストの施用効果を従来のコンポストと比較検討し,以下の結果を得た。1)アシドロコンポスト施用区とアシドロコンポスト+速効性鶏ふんコンポスト混合施用区のバレイショは,従来の牛ふんコンポストよりも草丈,葉色が優れ,総いも重,上いも重も有意に増加した。2)牛ふんコンポスト施用区では土壌窒素の取り込みが起こり,生育初期に窒素欠乏が見られたが,速効性鶏ふんコンポスト施用で初期生育が良くなり,収量が向上した。3)アシドロコンポスト施用区とアシドロコンポスト+速効性鶏ふんコンポスト混合施用区の土壌pHは,栽培期間を通して低く推移し,バレイショの生育にとって相対的によい土壌環境を維持した。4)アシドロコンポスト施用区とアシドロコンポスト+速効性鶏ふんコンポスト混合施用区では,従来の牛ふんコンポストよりも疫病の進行が若干遅延された。また,亀の甲症の発生が少ない傾向が見られた。以上のことから,アシドロコンポストは酸性を好むバレイショ栽培において収量向上,病害抑制の観点から有効であると考えられる。