要介護・虚弱高齢者に対する「地域生活の質」からみた優先課題 : デルファイ法とノミナルグループ法を用いた意見集約
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,「地域生活の質(community QOL)」の理念・目標に基づいた評価項目を設定し,長野県A市における高齢者ケアの優先課題に関する関係者の意見集約を行うことである.デルファイ法調査は,2回の郵送法によって実施した.当該地域のフォーマルケア(FC)とインフォーマルケア(IC)関係者を対象とし,評価項目ごとに優先的に取り組む必要度をたずねた.初回調査では327人(回収率60.0%),第2回調査では242人(回収率87.1%)の有効回答が得られた.その結果,(1)「地域生活の質」の観点からみた高齢者ケアの優先課題には,直接的な介護に関わる課題と同時に,地域との関わりや自己実現の課題も含まれること,(2)当該地域では,認知症の専門的介護,社会的孤立,交通手段の整備,虐待・放置が非常に高い優先課題であることが確認された.この調査結果を検討素材として,現地のFC・IC関係者のキーパーソン9人を対象としたノミナルグループ法によって,当該地域における高齢者ケアのより優先的な10課題およびその課題に対応するためのFCとICの適切な機能分担に関する意見集約を行った.
- 2007-08-31
著者
-
斉藤 雅茂
日本福祉大学地域ケア研究推進センター
-
斉藤 雅茂
上智大学大学院総合人間科学研究科
-
武居 幸子
上智大学大学院総合人間科学研究科
-
山口 麻衣
宇都宮短期大学人間福祉学科
-
冷水 豊
上智大学総合人間科学部
-
山口 麻衣
ルーテル学院大学総合人間学部
関連論文
- 大都市高齢者の社会的孤立と一人暮らしに至る経緯との関連
- 高齢者の社会的孤立のライフコース的要因に関する事例分析--「累積的な有利・不利」からみた予備的考察
- 首都圏ベッドタウンにおける世帯構成別にみた孤立高齢者の発現率と特徴
- 要介護・虚弱高齢者に対する「地域生活の質」からみた優先課題 : デルファイ法とノミナルグループ法を用いた意見集約
- 「小地域ネットワーク活動支援データ管理ソフト」の開発と設計思想 : 要援護高齢者への見守り活動の評価ツール
- 老親介護に関する態度に影響する要因の研究 : 付・日韓比較
- 高年者のソーシャルネットワークの特徴と生活満足度との関連に関する研究--4つの地域特性別分析の試み
- 一般高年者のソーシャルネットワークと地域特性との関連に関する研究 : ソーシャルネットワークの地域特性別分析の試み
- 社会福祉調査としての高齢者孤立研究の意義と課題
- 大都市高齢者の社会的孤立の発現率と基本的特徴
- フォーマルケアとインフォーマルケア組み合わせに対する地域高齢住民の選好の関連要因
- フォーマル・ケアとインフォーマル・ケアの組み合わせ選好と地域特性との関連--高年住民のケア選好に着目して
- 高齢者の社会的孤立に関する類型分析--事例調査による予備的研究
- 高齢者の社会的ネットワークの経年的変化--6年間のパネルデータを用いた潜在成長曲線モデルより
- 施設サービスの質の概念・確保策とサービス評価の課題(学校企画シンポジウムII:施設サービスの質をめぐる研究・政策・実践の動向)
- 地域包括支援センターの社会福祉士の業務自己評価に関連する要因
- 大都市独居高齢者の近隣住民・知人による声かけ・安否確認に対する選好
- 在宅介護者の家族協力認知と家族負担感
- 高齢者保健福祉サービス評価研究の動向と課題 (特集 サービス評価のあり方)
- 首都圏ベッドタウンにおける世帯構成別にみた孤立高齢者の発現率と特徴
- 地域特性に即したインフォーマルケアの実践課題抽出の試み(2) : 福祉でまちづくりを目指す高浜市での調査から
- 孤立高齢者におけるソーシャルサポートの利用可能性と心理的健康 : 同居者の有無と性別による差異
- 高年者のソーシャルネットワークの特徴と生活満足度との関連に関する研究--4つの地域特性別分析の試み
- 高齢者の社会的孤立に関する主要な知見と今後の課題 (特集 単身者のこれから)
- 同居者のいる住民基本台帳上の一人世帯高齢者の特性
- 保険料段階による在宅介護サービス費用の経時変化 : 特定自治体における2年間の介護給付実績情報より