産科医療機関における妊婦健診時の禁煙指導に関する実態調査 : 禁煙指導内容と喫煙状況の検討

概要

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日本で実施されている禁煙指導の実態を把握することを目的とし,妊婦健診を提供している産科医療機関800施設を対象に実態調査を行った。調査内容は,保健指導の実際と禁煙指導の有無,および施設の喫煙に関する方針であった。1回目の回収率が37.4%であったため再調査を実施し,最終的に有効回答率は48.4%(387施設)であった。妊婦健診時に禁煙指導を実施している施設は59.4%で,禁煙指導の具体的内容は,「胎児への有害性」および「受動喫煙の影響」が過半数を占めていた。しかし,血中ニコチン濃度の測定や喫煙依存度の自己チェックを実施している施設は全体の5%以下と低かった。妊婦健診時に禁煙指導をしていない施設においては,その73.8%が母親学級においては禁煙指導を実施していた。しかし,母親学級の開催は妊娠40週の期間で約3回と実施回数が少なく,禁煙への効果は低いと考えられた。妊婦健診時の禁煙指導の実態は,禁煙の手法やコツを支援している施設はわずかであった。さらに施設管理者が喫煙者であることから,妊婦への喫煙の影響に関する意識が低いために禁煙指導が実施し難い施設があることも明らかになり,禁煙指導方法の改善が急務であることが示唆された。