学校における体つくり環境と体つくりプログラムに関する調査研究

概要

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本研究は,学校環境の不確実性(生徒多様性)が学校における体つくりプログラム及び生徒の体力にどのような影響を及ぼすかを調査したものである。生徒多様性の測定には,異質性と不安定性の2次元を設定し,それぞれ8個のインディケータ(質問項目)を用意した。また,体つくりプログラムは,(1)教材化,(2)生活化,(3)総合化,(4)継続化の程度,及び(5)教師主導性,(6)系統性の6つの観点から調査した。生徒の体力は,新体力テストの得点を採用した。調査対象は,京都府内の府立高等学校及び公立中学校(京都市立を除く)であり,126校から回答を得た。結果は以下のように要約できる。1)学校環境が安定しているほど,体つくりの教材化は容易である。2)学校環境が異質かつ不安定である場合,体つくりは単発的で教師主導的にしかおこなわれていないケースが多い。3)高校生の体力は,学校環境が異質かつ不安定であるほど低い。4)高校生の体力向上は,教材化の努力と生徒主体的な取り組みがその可能性を高める。5)教材化の努力が効果的である可能性は,高校男子に比べると高校女子の方が高い。