フオルムアルデヒドおよびギ酸を添加したラジノクローバ緑葉蛋白抽出残渣サイレージのヒツジにおける利用性について

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ラジノクローバ緑葉蛋白の抽出後,得られた残渣にフオルムアルデヒドとギ酸をそれぞれ乾物当たり0.85%,2.8%添加してサイレージを調製し,それらの添加物処理がサイレージの品質および栄養価に及ぼす影響について検討するため,去勢ヒツジを用いて代謝試験を行い,次の様な結果を得た。なお,同一材料を用いて無添加のサイレージを調製し,対照とした。1.添加・無添加サイレージ共良質のものであったが,特にフオルムアルデヒド・ギ酸添加によってアンモニアの生成が抑制され,pH値は低くなった。2.粗蛋白質および粗脂肪の消化率は,添加サイレージ給与時では,無添加サイレージ給与時よりも有意に低下した。3.尿中窒素排出量は添加サイレージ給与の場合有意に減少し,その結果,窒素の体内蓄積量は有意に増加した。4.第1胃内液中のアンモニアおよびVFA濃度は,添加サイレージ給与時では,無添加サイレージ給与時よりも有意に低下した。5.血中尿素態窒素濃度は添加サイレージ給与時では有意に低下したが,一方血漿中総蛋白濃度は無添加サイレージ給与時に比して有意に高くなった。6.血漿中遊離アミノ酸は添加サイレージ給与時に増加したが,特にリジンの増加が著しく,その値は無添加サイレージ給与時の約3.5倍であった。これらの結果から,ラジノクローバ緑葉蛋白抽出残渣を用いた高水分サイレージの利用性は,調製前のフオルムアルデヒドおよびギ酸処理によって有意に改善されることが明らかになった。
日本草地学会の論文
1980-07-31

フオルムアルデヒドおよびギ酸を添加したラジノクローバ緑葉蛋白抽出残渣サイレージのヒツジにおける利用性について

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