牧草のサイレージ調製に伴う飼料価値の変化
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概要
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1.本研究は牧草の飼料価値に対するサイレージ調製法および予乾中の降雨の影響についての知見を得るために行ったものである。2.比較検討したサイレージ調製法は蟻酸添加した直詰法と,刈取後予乾した予乾法であり,後者はさらに予乾中の降雨の有無によって区分した。供試牧草はイタリアンライグラスで,その1,2番草を用いた。3.直詰区のサイレージを生草と比較すると,各成分の消化率は低下し,有機物は3〜4%,粗蛋白質は5〜11%低下した。また,可消化養分についてはDCP1.4〜2.2%,TDN1〜4%の低下がみられた。4.予乾・無降雨区のサイレージを生草と比較すると,消化率は低下し,有機物は1〜2%,粗蛋白質は5〜7%低下した。可消化養分については,DCPO.9〜2.8%,TDN0〜1%の低下であった。これらは,おもに貯蔵中の低下であった。5.予乾・降雨区では,サイレージの消化率を生草と比較すると有機物は6〜9%,粗蛋白質は11〜13%低下し,可消化養分をみると,DCPは1.5〜2.7%,TDNは6〜10%低下し,とくに予乾中に大きく低下した。6.このように,生草と比較した飼料価値の低下をみると,予乾・無降雨区が最も小さく,直詰区,予乾・降雨区は大きかった。また,予乾区の場合には予乾中の降雨の影響が大きかった。7.なお,サイレージ調製に伴う牧草の化学成分の変化は緬羊による消化率・可消化養分の変化の傾向をおおむね裏付ける結果となった。また,サイレージの品質をみると直詰区はやや劣り,予乾区はいずれも優れていた。
- 日本草地学会の論文
- 1980-07-31
著者
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