材料成分とサイレージ品質 : I.貯蔵温度,貯蔵日数および予乾の効果
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概要
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1.イタリアンライグラスの年内刈,4月刈,6月刈で,水分含量3水準,貯蔵温度2または3水準,貯蔵日数4水準として,各要因の交互作用,および刈取回次間の比較を行った。2.材料成分は,水分含量は4月刈>6月刈>年内刈,CP・WSC含量はともに,年内刈>4月刈>6月刈の順となり,WSCでとくに差が大きかった。予乾によって,WSC含量は各刈取回次ともかなり減少し,CP含量は変化が小さかった。3.サイレージ品質に対する各要因の効果のうち,水分含量と貯蔵日数については,高水分では,年内刈で貯蔵日数を長くしても品質の低下はみられず,4,6月刈では低下し,6月刈でとくに著しかった。これは材料中のWSC含量の高低とよく一致した。予乾は,VFAの増加を抑える効果がみられ,一方,ある程度までは乳酸発酵を促進する効果が認められた。4.水分含量と貯蔵温度については,4,6月刈の高水分で高温度による品質の低下がみられ,年内刈高水分,予乾したもののすべてについて,みとめられなかった。5.貯蔵温度と貯蔵日数について,交互作用はほとんどみられず,サイレージ品質の変化は,高温度の順,また貯蔵日数が長い順に,加算的に示されることが多かった。6.本試験の範囲内(15〜30℃)で貯蔵温度を高めることと,同一温度下での貯蔵日数を長くすることは,同様の効果をもつ,すなわち,貯蔵温度は,発酵品質よりもむしろ発酵速度に影響すると推察された。7.刈取回次間の比較について,材料中のWSC含量の高低と高水分での品質の良否はよく一致し,貯蔵日数が進むほどその差は大きくなった。水分含量が約60%の予乾サイレージはいずれも良質だった。しかし,刈取回次間で有機酸含量などに差がみられ,発酵内容の相違が推察された。
- 日本草地学会の論文
- 1976-04-25
著者
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