集約草地造成法が下層土の物理性に及ぼす影響
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概要
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火山灰山地における集約草地造成に関する研究の一つとして,基盤造成工事による下層土物理性の変化について試験した。その結果は次のとおりである。1.完全耕起法による基盤造成では,造成された地表面から70cmまでの範囲における土壌の物理性は大きく変化し,間ゲキ率は80%から60%に減少する。そこでの透水性も1/10低下し10^<-5>cm/s級となる。2.耕起作業なしの基盤造成では,わずかにハローイングされた深さ(約15cm)で物理性の変化がみられるだけである。しかも,その変化量は小さく,間ゲキ率で約5%の減少,透水係数で1/2低下にすぎない。3.スレーキング試験によると,完全耕起法で造成された人工土層の耐水性は,施工後3ヵ月までは30%も低下し,1年経過後においても施工前の耐水性を示すまでには至らない。4.これらの結果は,造成直後の草地基盤は土壌そのものの耐水性がきわめて不安定であることを示している。
- 日本草地学会の論文
- 1973-07-25
著者
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