草地土壌動物相の研究 : 第2報 採草地でのサクラミミズ(A型)の令構成
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概要
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日本各地の山野に広く分布するサクラミミズ(ツリミミズ科)の生活史を明らかにするため,採草地での令構成の季節的変動を調べた。2か年間の結果を概括すると以下のとおりである。個体数は秋に多く冬に少なかった。採集個体は外部標徴にもとづき成体,亜成体及び幼体の3令期に分けられた。成体の出現は主として春から秋に限られ,個体数は夏に多かった。その垂直分布には顕著な季節的変動は認められなかった。それは反して,亜成体と幼体は周年(全季節)に出現した。亜成体の個体数は秋,特に10月に多く,その垂直分布には顕著な季節的変動を示した。すなわち夏から秋には1層(0-10cm)に多く,冬はII層(10-20cm)に多かった。幼体の個体数は春から夏に多く,その垂直分布には顕著な変動は認められなかった。卵包が春に採集され,春から夏に採集された幼体は体長,体重とも小さかった。
- 1972-10-25
著者
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