韓国人学部留学生の日本語学習における自己評価の変容
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は、PAC分析(Personal Attitude Construct:個人別態度構造分析)を用いて日本の大学で学ぶ韓国人留学生の日本語学習の自己評価のイメージ構造を示した八若・池田(2005)に続く研究である。学部留学生2名に対して前回調査から一年後に、自己の日本語学習において「どのような場面で上達した、また不十分だと感じるか」に関する同様の調査を行い、前回の調査結果との比較から評価の変容を分析した。自己の日本語学習に対する評価のイメージ構造は両者ともに前回とゆるやかに対応する形で個別的であったが、2者の学習状況に以下の共通点があることがわかった。(1)日常生活及び専門の勉学に支障はないので、日本語の勉強は特にしていない、しかし、(2)目標言語である日本語が使用されている環境(以下JSL環境)にあって自己の日本語を常時評価しており、(3)自己の日本語に不十分な部分があると感じているが、(4)随所で上達を確認している。また、変化の共通点としては、(1)対人関係に問題を感じ、(3)理解の問題から発話の際の微妙な言い回しや抑揚等の問題に注意がいくようになり、(3)日本語の背景にある日本への理解の必要性をより強く感じるようになっていることが観察された。
著者
関連論文
- 韓国人学部留学生の日本語学習における自己評価の変容
- 外国人留学生と日本人学生の言語学習ビリーフの変容 : 協働活動を通して
- 活動中心の授業における評価 : 自己評価・ピア評価の有効性
- インドネシア人留学生の日本語学習の自己評価 : PAC分析による事例的研究
- 日本語学習者の作文における読解材料からの情報使用 : 「つながり」による統合の観点から