日本語学習者の文章構成における第1言語の影響 : 中国語母語話者の論説文を対象に
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概要
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本研究の目的は、日本語学習者の論説文のマクロな文章構成において第1言語(L1)の影響があるのか、さらに、作文の質にL1の作文との相関はあるのかを明らかにすることである。対象者は中国語を母語とする日本語学習者16名である。対象者のL1の作文、L1を第2言語(L2)に書き直した翻訳作文、L2で直接書いた作文をデータに、文章構成は主題文の位置、構成パターン、まとめ文の有無を指標として分析した。作文の質は内容、構成、言語形式の3要素の下位項目11につき5段階評定で評価し分析した。その結果、以下のことがわかった。(1)L1の作文とL2の作文の構成パターンは類似していたが、主題文の位置には相違があった。(2)L1の作文とL2作文には構成の得点間に相関がなかった。(3)L2(翻訳)作文は、L1作文との構成は一致していたが、構成の得点に相関はなかった。以上より、L2の文章構成はL1の構成と類似しているが、L2の言語発達やL2の作文学習経験等、その他の要因が影響していることが示唆された。
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