第2言語の作文産出における第1言語使用効果 : トピックの認知負担の観点から
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概要
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本稿は、第2言語の作文産出において第1言語使用が、認知負担の大きい課題やトピックではより効果的である可能性があると示唆した石橋(1997)の研究データを検証のため再分析したものである。提示した4つのトピックを認知負担の度合いで抽象的なトピック群と具体的なトピック群に分類し、第2言語で直接産出した作文と第1言語で産出してから第2言語に翻訳した作文を質的観点からトピック群別、第2言語の習熟度別に比較分析した。その結果、中級レベルの学習者では、抽象的なトピックにおいて、第1言語使用の効果が作文の質の内容、構成、言語形式のどの要素においても有意に認められ、第1言語が認知負担の大きいトピックでは効果的であることがわかった。しかし、上級レベルの学習者には、第1言語使用の効果はなく、直接第2言語で作文をすることで第2言語をトピックの抽象度にあわせて裁断していることが示唆された。
- 茨城大学の論文
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