採血刺激,乳頭圧迫刺激および搾乳刺激による血漿コーチゾール値ならびに血糖値の変化について
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概要
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乳牛の血中コーチゾール値ならびに血糖値を測定する場合の血液採取方法を検討するため,乳牛に採血刺激,乳頭圧迫刺激ならびに搾乳刺激を加え,血中コーチゾール値および血糖値の変化を観察した。人に良く慣れている乳牛9頭を3群に分け,留置カテーテルを用いて1分間隔で連続採血を行った。乳頭圧迫刺激は留置カテーテル刺入と同時に10分間,搾乳刺激は留置カテーテル刺入と同時に洗浄3分間,搾乳3〜4分間加えた。採血刺激により10分後に血漿コーチゾール値は平均4.6ng/mlから10.9ng/mlに上昇,乳頭刺激により8〜13分後に平均4.4ng/mlから13.4ng/mlに上昇,搾乳刺激により13分後に平均4.9ng/mlから23.9ng/mlに上昇した。また血糖値の変化は観察されなかった。以上の結果から血漿コーチゾール値は,わずかな刺激によって上昇することがわかった。そのため血漿コーチゾール値を観察する場合は,乳牛の環境条件を一定に保って,材料の採取をすばやく行わなければならない。また再度材料を採取する場合は,60分以上の間隔をおく必要がある。血糖値は,採血前の刺激によって変動しないため,特別に条件設定の必要性はないことが示された。
- 帯広畜産大学の論文
- 1984-06-25
著者
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