インフルエンザ感染を伴った成人スチル病の1例
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概要
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患者は50歳の女性。2007年4月5日,高熱,悪寒,全身の筋肉痛,関節痛と咳嗽が数日続くため,他医より紹介されて入院した。入院後,HydrocortisoneおよびPredonisoloneの投与を行って解熱したが,4月16日頃から右前腕および右大腿に浮腫性の紅斑が出現した。経過を通じ,白血球増多,CPR高値,赤沈亢進,LDHの上昇,さらにはムコ蛋白の上昇と軽度の肝機能障害があり,臨床的には発熱と咽頭痛,関節炎と皮疹が認められ,リウマトイド因子や抗核抗体は陰性で,血清フェリチン値も高値を示したことから,成人スチル病と診断した。本例はその経過中に,明らかにインフルエンザAの有意の抗体の上昇を認めたため,成人スチル病にこの感染が併発したものと考えた。ステロイドの長期投与によって,2007年5月末の時点では平熱の状態で,関節痛や皮疹も消失している。
著者
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近藤 晃
栄和会 泉川病院
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林 洋子
長崎大学医学部第一病理
-
林 洋子
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科探索病理学
-
近藤 晃
栄和会泉川病院 内科
-
林 洋子
長崎大学探索病理
-
林 洋子
長崎大学医学部探索病理
-
林 洋子
長崎大学大学院病理学第一
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