香川県における黒大豆「丹波黒」の次位別開花・結実習性から見た播種適期

概要

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黒大豆「丹波黒」は,丹波地方において古くから栽培が行われ,大粒という特性をもち,甘味のある独特の風味をもつことから,正月用の煮豆として人気がある。近年,瀬戸内平坦部等の温暖地における丹波黒は,丹波地方に比べて早期に出荷できるという特徴があり,また,大粒ほど高値で取り引きされている。実際には,粒径別(3L,2L,L等)に取り引きが行われており,粒径に応じた価格が付けられている。このため,丹波黒の栽培は,高収益性の作物として香川県においても定着してきている。しかし,本県における丹波黒の生態的特性はよく把握されておらず,栽培法は産地の慣行に準じている部分が多く,安定多収のための改善があまりなされていない。そして現行の栽培法では,開花数は多いが,落花・落莢が多いと言われており,さらに移植作業や摘芯等の栽培管理に多くの労力を要するという問題がある。そこで,本研究では丹波黒の安定多収のための栽培法を確立するため,直播,無摘芯という省力的栽培法において,次位別開花・結実習性から見た播種適期について検討を行ったので報告する。
1992-12-25