胃癌のX線学的浸潤範囲からみた手術術式の検討
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概要
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胃癌のX線学的浸潤範囲を検討し,新しいX線学的占居部位を設定して切除範囲との関係を検討した。癌腫のX線学的占居部位の分類は胃角部から大彎にC線を引き,それより口側を3等分し,肛門側を2等分して食道側よりA,B,C,D,Eの5区域に分けるものである。さらに口側浸潤がどの区域に属するかにより4群に分けて検討した。すなわち口側浸潤がDを越えない第1群は106例,Cにある第2群は140例,Bにある第3群は81例,Aに及ぶ第4群は107例である。1)第1,第2群は問題なく幽門側切除の適応であり第4群は噴門側切除ないし全摘の適応である。しかし第3群は術式の選択に最も苦慮する群である。2)第3群で幽切限界線i線すなわちB区域の2分線より口側へ浸潤している例は9例中5例が口側断端浸潤(ow(+))をみたが,i線より肛門側の16例ではow(+)は1例のみであった。すなわちi線より口側へ浸潤している例では噴門側切除ないしは全摘が適応といえる。3)第3群でi線より肛門側でもX線上両彎に浸潤の認められる肉眼型でIV型に相当するX線上浸潤型を呈する例では全摘の適応とすべきである。4)教室における胃癌切除265例の検討では癌腫辺縁より3cmまでの距離にow(+)が認められたので,フィルム読影上3cm以上口側で切除できるか否かも前述の幽切限界線と共に読影すべきである。
- 千葉大学の論文
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