牧草地における土壌害虫に関する研究 : II.土壌害虫の季節的変動
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概要
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1.この調査によって記録された牧草地の土壌節足動物は鞘翅目61種,膜翅目6種,直翅目3種,双翅目3種,粘管目,半翅目,鱗翅目各1種,以上の昆虫類と昆虫以外の節足動物2種の多数にのぼった。土壌昆虫の種類数は時期的に異なり,冬期に多く,夏期には減少した。これらのうち,鞘翅目に属する約10種の昆虫と甲穀類に属するダンゴムシが生息数が多く,これらは重要な害虫と思われる。2.鞘翅目に属する昆虫の幼虫の消長をみると,大部分のものは年間を通して土壌中に生息し,顕著な季節的な変動は見られなかった。しかしヒメキバネサルハムシの幼虫は夏期にだけ発生が認められ,ケチビコフキゾウムシの幼虫は5月に著しく多かった。3.これらの幼虫の生息深度の季節的変動は牧草地では比較的少なく,畑地における場合のように顕著な上下移動はみられなかった。一般に牧草地では浅く,表層ないし表層近くに生息するが,晩秋から冬期にかけてはやや下降するものがみられた。稿を終えるにあたって,土壌昆虫の同定分類の労をわずらわせた農業技術研究所土生昶申博士,東京農業大学教授沢田玄正博士,同大学昆虫研究室助手渡辺泰明氏,愛知学芸大学大平仁夫博士,東京都豊島区の黒佐和義博士に心からお礼申上げる。
- 日本草地学会の論文
- 1969-04-20
著者
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