牧草地における土壌害虫に関する研究 : I.ラジノクローバ,オーチャードグラスの単播および混播圃場における土壌節足動物相
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概要
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ラジノクローバ,オーチャードグラスの単播および混播圃場における土壌節足動物相について調査を行なった。1.この調査の結果明らかになった昆虫は鞘翅目29種,双翅目7種,鱗翅目2種,ハサミムシ目1種の計39種で,オビヤスデ,オカダンゴムシを加えると節足動物としては41種の多数にのぼる。2.このうちマルクビクシコメツキ,クロクシコメツキ,サビヒョウタンゾウムシ,ケチビコフキゾウムシ,ヒメコガネ,クロコガネ,キイロホソカガンボ,オカダンゴムシなどが重要な害虫と思われる。特にオカダンゴムシは生息密度がきわめて高く,最も警戒すべき害虫と思われる。3.各区の土壌昆虫相について比較すると,ラジノクローバは複雑で多かったが,オーチャードグラスではきわめて貧弱であった。混播区はこの中間型を示した。このことからラジノクローバとオーチャードグラスの輪作や両者の混播は土壌害虫相を制御する上に有効な手段のように思われる。4.各区の土壌昆虫の生息深度をみるといずれも表層に最も多く,深層になるほど少ないが,オーチャードグラスはこの傾向が最も強く,ラジノクローバは中層にもかなり多かった。混播はこの中間型を示した。
- 日本草地学会の論文
- 1968-10-20
著者
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