イタリアンライグラスの品種特性に関する研究 : 第2報播種期の早晩による収量性の品種間差異
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概要
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1.本報では,イタリアンライグラスの代表的な14品種につき密植条件下で,播種期の早晩と主として収量性との関係について比較検討した。2.その結果,数種の形質および収量性は,品種間に顕著な差がみられた。しかし,その差異は,播種期の間では相対的な関係を示し,合計収量は各品種とも早播き区>晩播き区>春播き区の順となった。刈取り期別の収量性については,これを利用時期の立場からみた場合,次の諸点が明らかにされた。3.早播き(9月)の場合に,年内から早春にかけて利用性の高いものとしては,早生・直立型に属する国内在来種が有望視できたが,Gulf F・C(早中生・偏開張型),オオバヒカリ(晩生・中間型)も多収を示し,短期利用向き品種として注目された。一方,晩春から夏期にかけての利用には,この期に再生力の衰退が少ないものがよく,それには,晩生種で中間ないし開張型に属する品種が適合した。晩生種でも直立型に類する品種は,再生力が劣るために長期の利用には不向きであるが,4〜5月の刈取りで多収を示すから,水田裏作用として有望と思われた。4.晩播き(10月)の場合では,早播きに比べて早春期の収量はやや劣ったが,4月以降の利用を主体とした場合には,10月下旬に播種しても十分な収量をあげることが明らかにされた。品種の収量性は早播きとほぼ同じ傾向を示した。5.春播き(3月)の場合,5〜6月上旬の利用にはGulf F・C,黒石在来などが適し,その後夏期にかけての生産にはSceempter tetilla,B2138,English leafyなどが期待される。このような品種の収量性は,前報で述べた春播きによる出穂特性と草勢との関係とよく一致した。6.耐病性(細菌病・冠さび病)は品種間に明らかな差異がみられたが,耐病性品種の採用については,収量性との関連があるので今後さらに栽培と育種の両面から検討したい。
- 1967-10-20
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