尿路結石症における尿中カルシウムイオン活量の研究 : 第2報蓚酸カルシウム結晶形成との関連ならびにマグネシウムおよびクエン酸による影響について

概要

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一定量の蓚酸Na(0.5mmol/l urine)を尿に添加することによって,蓚酸Ca結晶形成を起こし,その結晶形成量をMillipore filterに通した尿中Ca濃度の差によって測定した.この方法によって測定された結晶形成量と,尿中Ca^<++>活量との関連について検討を行った.対照群22名および結石症例群50名の24時間尿を用いた,蓚酸Na添加による結晶形成量は,結石症例群で有意に高値であった.蓚酸Ca結晶形成量および尿中Ca^<++>活量との間には,有意な正の相関性が認められたことから,尿中Ca^<++>活量は尿路結石形成に関与する要素であることが示唆された.塩化Mgおよびクエン酸Naをあらかじめ尿に添加することによって,蓚酸Ca結晶形成量はいずれも有意砕減少された.しかし,尿中Ca^<++>活量は塩化Mgによって僅かに上昇し,クエン酸Naによって著明に低下したことから,両者の蓚酸Ca結晶形成に対する抑制効果の機序は異なるものと示唆された.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1985-07-20