幾何学的形態に対する視覚誘発電位 : 刺激提示位置の効果
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概要
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図形の提示位置がオンセット視覚誘発電位(VEPs)に及ぼす効果の一環として,長さが等しい3種の輪郭線の幾何学的図形が下方視野,中心視野,上方視野の条件で両眼視で提示された.図形は正三角形,逆正三角形,円形であった.8名の被験者を対象に,一過性VEPが頭頂隆起部(I),それより上方5,10,15cm(I10,I10,I15cm)から基準導出された.図形条件とブランク(対照)条件との総平均差波形が記録された.ネガティブ(N1,N)波とポジティブ(P)波(平均頂点潜時:約133-143ms)がそれぞれ下方視野,中心視野,上方視野で取得された.1要因ANOVAが部位I5の振幅と潜時に対して実施された.主要な結果は次の様であった.N1振幅に関して,下方視野では正三角形,逆正三角形は円形よりも有意に大きな反応を誘発したが,正三角形と逆正三角形の間には有意差は見られなかった.中心視野では,下方視野と比較して,明瞭な電位の変化は示されず,図形間にはN振幅の差異は見られなかった.上方視野では,電位変化は一番小さく,また下方視野のN1とは極性が逆のP波に関して,図形間に有意な振幅の差異は見られなかった.このように,本実験では主として下方提示のN1波に関して正三角形,逆正三角形と円形間の明瞭な振幅差が示されたが,中心提示,上方提示では図形間に振幅の差異は示されなかった.
- 2007-03-10
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